2018年2月19日

私の中のえなりかずきが囁くんだ、「そんな事考えたってしょうがないじゃなくァ」って


67期の杉山です。

ここ最近の稽古は台本から離れ「自分から出す」「相手から受け取る」をテーマにふたりの先輩にワークショップを開いてもらいました。

多くのルールの中で複数の相手からオファーを受け取り自分からまた別の複数にオファーを出す、という言葉で説明するのが難しいのですが、やるのも難しいのだろうなって感じのゲームをやってました。

演出という立場を利用して、こういった稽古をどのように活かすか、「HOW」を持っては外野から眺めていました。


芝居は日常を模した偽物だと思っています。日常が本物です。

芝居を作る役者は贋作者(フェイカー)です。

「偽物が本物にかなわないなんて道理はない」のです。

今回の芝居で僕が一つ目標としたいのは本物を越える偽物を作ることです。

粗悪な偽物、偽物らしい偽物創りよりも、精密な、本物らしい偽物を舞台上に創りたいなと考えています。

そのために何が必要なのか?

まずは「本物を知る」。意識的に自身に取り込む。それから改造します。

絵かきなら好きな絵の模写だし、物書きなら「天声人語」の写し、RTA走者なら先駆者兄貴のルートを覚える。そこから自分流が始まると思います。

何を当たり前のことを、と思うかもしれないですがこれが案外疎かになっていたりします。

日常でできていても、舞台上ではできないことがある。

それは、日常は無意識の世界で舞台上は意識の世界だからです。


アンテナを張って日常をよく知る。得たものを自身の身体に合わせて舞台上で使う。

色んなものを「意識する」だけで芝居はだいぶ変わる。


多分、今まで色んな人が教えてくれていたのだろうなぁ。

今になってようやく自分の中に定着した気がします。視野が狭かったなぁ。

要は「意識」の話がしたかったのです。今回の稽古では多くのものに意識を張り巡らせなければ自身のミスで周りを止めてしまうという危険がありました。セリフとちって劇場全体が凍って止まる瞬間、怖いですよね。そのくらいの危険だと認識してやると……。


ホントはもっと言葉尽くして語りたいところですがニャッ!とかニュッ!しか出ないのでこの辺で終わりにします。ボクの頭のえなり君の話はまた順番が回ったら書こうと思います。その時にまたお付き合いいただければ幸いです。